資産運用をはじめよう！「投資」と「投機」の違いについて

「投資」と「投機」の大きな違いは、「目的」と「期間」にあります。

投資の目的は、売買による値上がり益を得るだけでなく、長期で保有することで株であれば配当金・株主優待、不動産であれば家賃収入等で利益を得ることができます。

投機の目的は、投機先の価格の上下を予想してその差による利益を得ることを目的として、株やFX、仮想通貨等に資金を投じます。

投資は長い目でコツコツとお金を増やすもの、投機は短い期間で大きな利益を得ようとするものです。

「投資」とは、利益を見込んで、資産にお金を投じることです。資産と言われているものに投資をすることがポイントであり、その資産の成長や価値そのものに期待して出資します。また、資金を投じることで、投資先の会社や国が社会全体の生産活動に役立ち、社会の発展と共にその果実を値上がり益という形で得ることができます。

投資のメリットは、複利効果が得られる点です。複利効果は、投資資金の運用によって得た利益をさらに運用することで利益を大きくできます。投資信託のように運用をプロに任せて、長い年月をかけて運用することで資産の増え方は大きくなっていきます。

投資のデメリットは、利益保証はないという点です。元本割れするリスクもあります。長期的な展望で企業の成長や株価上昇を期待して資金を投じても、予測に反して株価の低迷が続くこともあり得ます。いつでも売却できますが、そのタイミングで利益が出ていない場合、損失を確定させてしまうことになります。

また、短期間での利益は見込めないという点です。投資は、投資先の発展や経済成長することで、その恩恵を受けることができます。例えば、株式投資では、長い年月をかけて企業の利益や将来の成長はを期待して成果を得ます。よって、長い年月が必要となるのもデメリットと言えるでしょう。

投資は、２０年、３０年という期間で運用できる人、そこまで待てる人に向いています。そんなに長期間は待てない、待つことはできないという方には、向かない手法でしょう。

「投機」とは、短期的な価格変動による売却益だけを狙って取引を行うことを言います。
投機は、株式に限らず、為替、金等の商品を対象に世界の各市場で行われています。企業や国の成長とは関係なく、その瞬間の需給や一時的なニュースに大きく反応する値動きを追い、その瞬間を逃さず追っていきながら、利益を生み出していきます。

投機のメリットは、短期的に利益が期待できる点です。数分でも値動きがあるためタイミングさえ逃さなければ一日で大きな利益を得ることもできます。

投機のデメリットは、メリットの真逆で短期的に大きな損失が生じてしまうリスクがあることです。投機する先や売却するタイミングを誤れば、一瞬にして大きなマイナスが生じてしまいます。

投機は、頻繁に市場動向や値動きをチェックし、取引時間中は売買画面に張り付く必要があります。リアルタイムに損益が変化していくため、素早く取引することができないと上手くいきません。

投機は、個人でもデイトレードなどが容易な環境であるため、売買画面に向き合う時間があればチャレンジできます。どうしても短期間に大きな資金を作りたいという人には向いている手法と言えますが、大きな損失リスクがあることを念頭に置いておきましょう。

「投資」と「投機」には上記のような違いや特徴があることから、老後資金を考えるなら「投機」ではなく、長期で資産を増やす目的の「投資」で備えることが適切です。投資は、慎重に投資先を選び時間をかけておこなうことができます。