ビリヤードは楽しいスポーツです。一般的なスポーツは、ビギナーから上達し、やがて上達の壁がきます。しかし、ビリヤードが難しいのは、「ビギナーから大きな壁がある」ことです。その最たるものは、「まっすぐストロークできない」ということではないでしょうか。今回は、その中でも、左こじり解消法の一例をご紹介します。左こじりで悩んでいる人は、ぜひお試しください。
この記事を書いた人
この記事を書いたパパ森について、簡単に紹介させてください。
左にこじる原因
「ショットが毎回、左にこじってしまう。」そこに気づくためには、他人に見てもらうか自分で動画を撮るなりして検証する必要があり、ビリヤードに対して向上心がなければ、なかなか気が付かない部分です。
ここで言う「左こじり」とは、「通常プレーにおいて常に生じる癖」を指します。「一時的なメンタルによるこじり」とは区別して取り上げます。
体の構造
まず、「ショットに大きく関与する体の部分」を考えてみましょう。
ショットには、下半身から上半身まで体全体が関与していますが、ストロークの動きに大きく影響する部分は以下のとおりです。
1 手のひら
2 手首
3 肘
4 肩
この1~4を連動させ、肘を固定した上でストロークしますが、1~4いずれの関節も自由な動きができるため、まっすぐにストロークするのは、至難の業であることが分かると思います。
左こじりは自然の原理
では、この1~4を連動させてストロークした場合、通常どのような軌道となるのでしょうか。
実際に、キューを持って、大きくテイクバックしてみてください。
多くの方は、テイクバックすればするほど、「キューは身体の方へ寄っていく」ことが実感できると思います。1~4は全て関節で繋がっているので、身体の構造上仕方のないことだと思います。
① この時点から
② テイクバックの頂点で、キューは身体の方向へ引き寄せられる。
③ インパクトに向けて①の状態に戻ろうとしますが、
④ フィニッシュに向けて、①の状態を超えて、キューは左に抜けていきます。
自然にテイクバックすれば、キューはこのような軌道を描くため、肩を支点に、弧を描くような軌道となります。ボクシングで言う「フック」を打つの軌道に似ています。
この原理を分かった上で、どのようにしたらまっすぐな軌道に近づけられるのか考えてみましょう。
左こじり解消法の一例
今まで見てきたとおり、自然にショットすると、肩を中心に弧を描き、ボクシングで言うフックの軌道となります。では、ボクシングで「ストレートパンチ」を打つ場合は、どのような打ち方をするでしょうか。空手の正拳突きなども同じですが、「拳をスクリューさせながら突き出す」と思います。
ビリヤードのストロークも同様、フックの撞き方ではなく、ストレートパンチや正拳突きのようにスクリューさせながら撞くとまっすぐショットできるのではないでしょうか。
1 テイクバック
テイクバックでは、「グリップを外に巻いていく動作(外巻きスクリュー)」を取り入れます。このことにより、キューには体から離れていく軌道が加わり、結果的にまっすぐにテイクバックすることを目指します。
自然にテイクバックすると、キューは体の方に引っ張られるので、それに逆らう動作を取り入れることで「相殺」し、結果的にまっすぐテイクバックするという理論です。
2 インパクトに向けて
外巻き動作でテイクバックした状態のままの外巻きグリップでインパクトを迎えると、体の構造上、キューは左に流れてしまいます。そこで、「テイクバックで外巻きにした分を内巻きで戻しながらインパクトを迎える」ことにより、まっすぐな軌道のシュートを目指します。
3 1,2の調整
1のようにグリップを外に巻きながらテイクバックし、2のようにインパクトに向かいながら外に巻いた分を戻すような内巻き動作を加減・調整することにより、結果的にまっすぐなストロークが実現可能となります。
おまけ
右にこじる方は
中には、「右にこじる方」方もいると思います。そういう方は、「テイクバックで体の外に引きすぎて、左こじりとは逆の弧を描く軌道になっている」と思います。
この場合、上記1~3の逆を試してみるといかがでしょうか。パパ森は左こじりが基本にあるので、効果のほどは検証する術がありませんが、理屈から考えると、理にかなっていると思います。
ビリヤードは、楽しいスポーツ
今回は、左にこじり解消方法の一例について考察しました。ビリヤードは、見た目以上に奥が深いため、色々と試行錯誤しながら検証していく必要がありますが、検証の中で新たな発見を見出すのも、ビリヤードの楽しさの1つです。
試行錯誤しながら少しずつ上達していきましょう。
それでは、今回はここまでにしたいと思います。
また次の記事でお会いしましょう。